“遺伝性腫瘍専門医制度”について

一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会(旧、日本家族性腫瘍学会)、理事長 冨田尚裕

現代はゲノム医療の時代であると良く言われます。癌を含めてすべての疾病の背景に何らかの遺伝子の関与があるのは今や周知の事実ですが、“遺伝”と“癌”が関わる “遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)”は、まさにこのゲノム医療のモデルケースとも考えられます。遺伝性腫瘍は、癌全体の中では決して多いものではありませんが、癌関連遺伝子の研究を通じて発癌機構の解明に多大な貢献を果たしてきました。臨床現場においても遺伝カウンセリングを含めた多診療科から成るチーム医療が重視され、現在の我が国の癌対策上も希少癌・遺伝性癌として大きく位置付けられるようになってきました。

一方、専門分化した医療の質を担保するために、従来各種学会は専門医制度を作ってきましたが、医療の質の向上・標準化を図り、国民の信頼を得るためにこの専門医の見直しが数年来論議されており、現在、一般社団法人日本専門医機構を中心とした新専門医制度の確立も検討されているところです。

我々の学会でも、遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)の重要性と特殊性に鑑み、遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)に特化した専門医制度の設立を数年来模索してきた経緯があり、2017年4月の社員総会(評議員会)で、“家族性腫瘍専門医制度”が正式に承認されました。すなわち、一般社団法人日本家族性腫瘍学会(当時)の主要な学会事業の一環として、“腫瘍学と遺伝学に精通し、家族性腫瘍に関する適切な医療を推進できる優秀な人材の養成を行い、家族性腫瘍に関する知識の普及、医療活動の向上、以って国民の福祉への貢献を目的に、家族性腫瘍専門医を認定する(規則第1条)”の理念に沿った制度として構築されました。

同年5月から暫定指導医申請、研修施設申請等が開始となり、続いての専門医申請を経て、同年11月には第1回の専門医試験が実施されました。以降、昨年2018年の2回目の専門医試験と合わせて、2019年6月時点で、専門医:126名、暫定指導医:52名、研修施設:19施設を認定しています。

本学会に関しましては、本年6月に、日本家族性腫瘍学会から日本遺伝性腫瘍学会への名称変更を行いました。これは、がんゲノム医療の急速な臨床実装と遺伝性腫瘍の一般市民レベルでの認知度の上昇を背景とした時代的要請に基づくものですが、それに伴って、“家族性腫瘍専門医“も”遺伝性腫瘍専門医“へと名称変更を行うこととなりました。

この6月には、難治がん・希少がんと限定した対象ではありますが、がんの遺伝子パネル検査も保険承認されました。今後、これらのがんゲノム医療の臨床実装が加速化する中で、遺伝性腫瘍が診断される頻度が飛躍的に増加すると推測されています。これら増加する遺伝性腫瘍の患者・家族の方々の診療を適切に行うためには、専門的人材の存在が必要不可欠であり、我々の遺伝性腫瘍専門医は、今後数年間で300~500名の育成を計画しています。

日本遺伝性腫瘍学会自体はまだ会員数も少なく日本医学会にも未加入であり、一般社団法人日本専門医機構の示す専門医の基準を満たしておりません。したがって、現時点では “遺伝性腫瘍専門医”はあくまでも学会認定の専門医という範疇に留まりますが、遺伝性腫瘍に特化して国民の福祉に貢献できる医療専門職として認識されるよう、新専門医制度の今後の動向も見据えながら、方向性を模索していきたいと考えています。

学会会員諸兄のご意見・ご教示・ご協力を心よりお願いする次第です。

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一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医制度について

2017年度より家族性腫瘍専門医制度を開設し、2019年6月の本会名称変更に伴い、
遺伝性腫瘍専門医制度と改称いたしました。その制度の概要を以下の通りお知らせします。

①暫定遺伝性腫瘍指導医(暫定指導医)

書類審査により暫定指導医が認定されます。申請は年間を通して、随時受け付けます。申請期間の制限はありません。筆記試験・面接試験はありません。(暫定指導医の資格は2027年度より廃止されます。あわせて暫定指導医による遺伝性腫瘍研修施設の認定資格も失われます。)正規の指導医は、「5年以上、遺伝性腫瘍専門医として遺伝性腫瘍の医療に携わっている」ことが申請資格のひとつにあり、申請受付の開始は2022年度です。

②遺伝性腫瘍研修施設(研修施設)

(暫定)指導医の先生方が在籍する施設では、研修施設の申請が可能となります。書類審査により研修施設が認定されます。申請は年間を通して、随時受け付けます。申請期間の制限はありません。

③遺伝性腫瘍専門医(専門医)

2022年度まで、経過措置の資格基準にて申請を受け付けます。書類審査に問題が無ければ、筆記試験・面接試験を受けていただきます。

2019年度の専門医申請受付期間・試験日程・試験会場

申請受付期間 2019年6月3日(月)~2019年9月10日(火)※必着
試験日程 筆記試験・面接試験 2019年12月22日(日)
試験会場 一橋講堂会議場(http://www.hit-u.ac.jp/hall/
住所: 〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2
Tel: 03-4212-3900 Fax: 03-4212-3910
E-mail: yoyakukannri[at]hitotsubashi-hall.jp([at]は半角アットマークに置き換えてください。)

※2023年度以降は、専門医の申請資格が変更され、研修施設における3年間の研修などが追加されます。なお、研修施設に所属していない場合でも、原則として、指導医の所属する研修施設において、指導医に対面指導を受けた症例は、研修実績とみなされます。ただし、研修開始に際して、事務局に届け出が必要です。研修施設に所属している場合、研修開始の届け出は必要ありません。

詳細につきましては、下記のリンクをご参照ください。

なお、専門医の申請資格に関しまして、2023年度以降は、a) 研修施設のみで研修する場合、b) 研修施設以外で研修する場合、いずれかのパターンで研修を終え、かつ申請基準を満たした者を対象とします。

会員の皆様からのご指導・ご協力を心よりお願い申し上げます。

2019年7月
日本遺伝性腫瘍学会 専門医・HTC/FTC制度委員会 事務局

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各種申請案内および申請書ダウンロード

2019年度申請は、以下の書式で受け付けております。

家族性腫瘍専門医
暫定家族性腫瘍指導医
研修施設

各種申請書送付先

〒675-0055
兵庫県加古川市東神吉町西井ノ口601-1 (有)トータルマップ内
一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会 専門医・HTC/FTC制度委員会 事務局宛

お問い合わせ先

一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会事務局
 Tel: 079-433-8081 Fax: 079-433-3718 E-mail: jsht@totalmap.co.jp
 お問い合わせ受付時間: 平日9時30分~17時30分

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